NPO訪問レポート

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靴下が真っ黒になるまで、テニスを楽しんでほしい!

NPO法人BLACKSOX

先日、横浜市内で活動をされているNPO法人BLACKSOXの、理事長 西野耕太郎さんに
活動内容や今後の展望などのお話を伺う機会があり、
とても素敵なご活動だと感じましたので、
こちらの記事で紹介させていただければと思います。

BLACKSOXさんは、「バリアフリーテニス」を世界で初めて提唱、推進されています。
靴下が真っ黒になるまで、テニスを楽しんでほしい!という思いから、NPO法人名がつけられました。
「バリアフリーテニス」と聞くと、

障がいを持つ方と健常者が一緒に楽しむスポーツというイメージを持つ

方が多いと思いますが、
この「バリアフリー」という言葉の意味には、
障がい者だけではなく、高齢者や海外国籍の人達など、様々な人たちが一緒に楽しめる、
という意味が込められているのだそうです。

普通、競技テニスの場合は、相手が嫌がるところに、球を返し追い込んでいくのがルールとなります。

しかし、バリアフリーテニスにおいては、「ラリー」を続けることを目的とした遊びとして、

どんなハンディキャップを持った方でも、楽しく参加することができるのだそうです。

たとえば、車いすの方とテニスをする場合、ラリーを続けようとすると、
同じところに、同じ確度で球を打ち返す必要が出てきます。これはこれで技術が必要であり、
競技テニスをしている人にとっても、良質な練習体験になる、と西野さんは言います。

プロテニスプレイヤーとして、大会出場と並行してコーチをしていた時に
たまたま、福祉作業所の人たちがテニスをしに来てくれたことをきっかけに、
この活動は始まりました。
「どうしたら次も楽しみに来てくれるか?」

「この際、ルールはどんどん変えてしまおう」という試行錯誤の中で
現在のルールややり方にたどり着いたそうです。

このように、多様な人たちが関わりあいながらラリーをつなげていくスポーツ。
現在では、市内の様々な場所で練習会が開かれたり、大会が開かれるまでになりました。

しかし、西野さんの野望はそれにとどまらず、
日本発のバリアフリーテニスを世界に広めることや、
雇用を生むNPO法人となっていくことを志向しているそうです。

その象徴の一つが、この写真にあるラケット。日の丸を模したもので、大会前には、
西野さんが自宅でスプレーやテープを使って創られるのだそうです。
また、赤丸部分をボールにあてる、と指導することによって
ラリーが続きやすくなる、という物理的な工夫もあります。

1999年の任意団体立ち上げから13年近くが経過し、
少しずつ西野さんの活動は広がり始め、
「つな・ツナテニスプロジェクト」として
横浜市テニス協会や区単位の高齢者福祉センター、民間のスポーツ関連企業等と
のタイアップのお話が現在進行形で進んでいるそうです。

横浜発の「運動を通じたムーブメント」、
これからの展開が楽しみなプロジェクトのひとつです。

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