コラボレーション事例

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トリコロールに彩られた自主製品が、新たな販路開拓に

横浜マリノス株式会社×NPO横浜市精神障害者地域生活支援団体連合会

私たちは、横浜マリノス株式会社×NPO横浜市精神障害者地域生活支援団体連合会(通称“市精連”)の協働事例についてのインタビューを行いました。精神障がい者の方が通う地域活動支援センターとは、障害者自立支援法に基づいて「地域生活支援事業」の一つとして08年10月から制度化されたものです。市町村が主体となり、地域活動支援センターに通う障がい者の方に対して創作的活動または生産活動の機会の提供などを行う場所のことだそうです。これまで、精神障がいの方が通う作業所の存在や、そこでどのような活動をしているのか、ということに注目したことが無かったのでインタビューで訪問できたことは、私達にとってとても良い経験になりました。今回は、市精連からの要請でトリコロールグッズ(布ぞうり)を作っている地域活動支援センター・ギッフェリ職員の坂口育子さんと、横浜マリノス株式会社ホームタウン・ふれあい本部 ホームタウン事業課長の佐々木伸一さんにお話を伺いました。(聞き手:横浜市立大学2年 小川佳奈子・2年 森 洸耀・3年 池田麻美)

 

「無理なく通い生活の基盤を整える」がギッフェリの第一の目的

「地域支援活動センター・ギッフェリ」は、精神障害者の方の社会復帰をサポートするために社会福祉法人恵友会によって設立されました。主な活動としてパンの製造や販売、クリーニング作業などを行っています。1日平均15名のメンバーさんが通所し、2名の常勤職員と2名の非常勤職員が支援しています。

この場所では、精神障がい者の方が無理なく通所できるようにすることが大事であると考えているため、通所回数や仕事内容も強制することなく自主性に任せ、個別計画に沿って支援しています。

坂口さんは、「顔を出してくれることが一番大事。メンバーが喜びを持ってくれることを第一条件として、まずは生活基盤を時間をかけて作り上げていってもらえれば。」と話してくださいました.

マリノスとのコラボのきっかけ

今回のコラボは、横浜市健康福祉局のコーディネートにより、マリノスの試合やグッズショップである「トリコロールワン」で販売するグッズの企画を市精連と共に行うことになり、市精連から各作業所に募集をかけたことがきっかけとなりました。坂口さんは、品質に自信のある布ぞうりを、マリノスのトリコロールカラーで彩ればきっと素敵な製品ができる、と考えていて、良いタイミングでお話があったとのことでした。新しい作業を開始するときはいつでも「メンバーさんに負担がかからないかどうかという面だけが不安」だそうです。しかしそんな坂口さんの心配をよそに、メンバーさんの多くからいつでも「やりましょう」というポジティブな反応が返ってきて、「メンバーさんのやる気に押されて応募を決めることになります。」とおっしゃっていました。今回の布ぞうりもベテランの編み手であるメンバーさんに無理のないように一日に一足というペースで生産活動を続けて来られているそうです。

 

地元に販路が広がることが嬉しい

マリノスという地元横浜の有名な企業とコラボするということでメンバーのモチベーションは上がり、メンバーの自信にもつながっているそうです。

今回取材をさせて頂いて職員の方やメンバーさんの明るい挨拶など、施設全体に流れる温かい雰囲気がとても印象的でした。また、これまで精神障がい者の方が通う作業所の存在や、そこでどのような活動をしているのか、ということに注目したことが無かったのでインタビューで訪問できたことはとても良い経験になりました。

 

この街には、横浜F・マリノスがある

一方、企業側としてこのプロジェクトに携わってきたのが横浜マリノス株式会社ホームタウン・ふれあい本部 ホームタウン事業課長の佐々木伸一さんです。佐々木さんは以前は営業部に所属していたそうです。昔は地域とのふれあいや、ホームタウン事業は営業活動の延長戦上の取り組みの中で行われてきていましたが、4年前より「ホームタウン・ふれあい本部」が営業部とは別個に発足。「この街には、横浜F・マリノスがある」をスローガンに、勝ち負けに左右されずに普段から地元に応援されるチームになるべく、様々な地域活動を行っているとのことでした。

 

 

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