企業訪問レポート

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子どもたちが未来で誇れるまちになるために  今、自立的でかっこいい三浦を作る

株式会社ミライカナイ

「3.11以降、地元の若い世代の仲間たちと、三浦のみらい

について考えるようになりました。」

とお話して下さったのは、三浦三崎港のまぐろ問屋である株式会社三崎恵水産の石橋匡光さん。

 

地元の仲間と一緒に、株式会社ミライカナイ

という会社を設立されました。その経緯と思いについてお伺いします。

 

震災後に、地元で同世代の子どもを持つ親たちが、放射線の影響などに

とても不安を感じていたのがすべてのきっかけだったそうです。

石橋さんたちは、エネルギーのあるべき姿や、

「自分たちの町でエネルギーを安全な方法で自給自足できないか?」

ということを考えるようになっていき、自主的に勉強会を

開催されたそうです。

エネルギー問題について、正しく理解しみんなで話し合ううちに、「原子力の問題やエネルギー供給の問題の根本には、地域の問題があるのではないか」と石橋さんは考えるようになっていきました。

まずは、まちが経済的に自立し、地域が継続可能な状態を作っていかないといけない。

 

そこで、農家のせがれ、左官さんなど地元の若手の仲間たちと会社を作ることを決意されました。

その会社が、株式会社ミライカナイです。

ビジョンは、3つ。

三浦半島の自立的な生活経済圏をつくりだすこと!

地元の職業がかっこよく美しくなること!

お互いに助け合い、補完しあえる地域をつくりだすこと!

 

そのために、まずは

①地元の仕事をかっこよくする

②子どもの育つ良い環境づくり

③これからのエネルギーを創りだす

 

この3つに取り組んでいきたいとお話下さいました。

 

こだわりは、きちんと経済を回すことです。

ボランティアや熱意だけで進めていくと、関わる人たちも辛くなり続かないので、事業として成り立たせることを意識していきたいと思い、株式会社を設立されたそうです。

 

この会社のユニークな点は、この地元の仲間たちの奥様方が1円ずつ出し合い、それを資本金として法人を設立したところです。

 

その理由を聞くと、

「どこの地域も抱える問題だと思いますが、色々な立場の人間がいて、

若者が突然、狭い地域の中で文脈なく新しい事業を起こしたりしてもうまくいきません。ただ、地元のお母さん達が出資し合って三浦の次世代の子ども達のために起こすアクションなら、まちの誰もが賛成だと思うんです。

子ども達の目線は、大人たちの目線を下げるのではなく、

未来に向かって、上げてくれる存在だと思っています。」

 

そう答えて下さいました。

 

現在、ミライカナイはまず足掛かりに、三浦市の下町・城ヶ島地区活性化事業として「城ヶ島つるやプロジェクト」の取り組みをはじめています。

これは、空き店舗になっていた「つるや食堂」を地域の住民たちでリノベーションし、子ども達が集える場所を作るプロジェクトです。この場を活用して、モノづくりの大人の“かっこいい仕事”を子どもたちが感じられる改修ワークショップなども開催していきたいと考えていらっしゃるそうです。

 

もちろん、2年間は市からの助成事業としてスタートしますが、経済的に自立した形にできるように2年間は離陸の準備期間です。

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